第6回 マンガとビジネス

開講日: 2019年5月21日

​講師:村井淳、加藤文俊、佐藤雅明、吉井順一

ディナーショー形式で佐藤先生の講義が始まった。

『 昨年一番売れたコミックって何だと思う?』『歴代では?』『一巻あたりで一番売れているのは?』『女性向けマンガで一番売れているのは?』という問いを投げ、生徒たちが思い思いの返答を返す。

生徒たちの察しはよく、ONE PIECEを始め進撃の巨人、キングダムなどの答えが出る中、2018年の単行本売り上げにてSLAM DUNKが4位に入っていたことには生徒たちも驚いている様子が映った。

その他にも小説などの出版に比べ、単純比較することは難しいがマンガというものの発行部数がおおいことにも触れ、また様々なアニメなどのコンテンツとの兼ね合いについても述べられた。

 

吉井氏からは出版社側として、最近は連載がスタートした直後に、海外を含めてアニメ化、映像化の話が進んでいくことが多いことが語られ、例えばTV制作系の方がよく出版社側にくるようになったのは最近で、今までは行っていた、という小話もなされた。

 

続いてマンガの時代変遷についての説明が始まった。

40年代のトキワ荘から始まり、60~70年代の興り、80~90年代の黄金時代について触れられた、

佐藤先生、吉井氏ともにから、80~90年代にマンガの興隆とともにマンガの裾が広がっており、例えば優等生らしくないようなマンガが多くなっていき、メインストリームというものがなくなっていったという話がなされた。

さらに、2000年代に入りインターネットの普及とともに火のつく場所、規模が大きくなり、マンガというコンテンツ自体が多様化していったと説明があった。

そして2010年代、コミックの売り上げはあるものの雑誌の売り上げが15年以上連続で下がっていることから危機感がでているのではないかという話があった。

 

さらに、進撃の巨人の売り上げを題材にマンガを含め出版物の理想の売り方がロングセラーであること、ピークをわざとこさせないようにコントロールすることなどの話もあり、また現在のマンガの売り方はマンガだけに止まらず、ライトノベル展開、スピンオフ、電子書籍、アニメ化、実写化、アプリ化、商品化、タイアップなどが紹介された。

 

また、インターネットのコモディティ化、スマホの誕生などにより若者の行動が変容していることにも触れ、ニコニコ動画や、カラオケのヒットソングが変化してきているデータがスライドに紹介された。

ほかにも50, 60代の方に比べて10,20代の方が家にいる時間が長いことにも触れ、このようなライフスタイルの変化を踏まえた上で、雑誌・コミックの形態を考えるべき転換点にきているのではないか。という問題提示がなされた。

 

講義最後には、定量的な日本のコンテンツ産業の世界シェアについても述べられており、ゲームが15%、アニメが4%などとなっている中、マンガは約27%となっており、世界的に見ても珍しいことであることが語られた。