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第6回 世界のなかのマンガ:マンガとリテラシー 

開講日: 2018年5月22日

​講師:吉井順一、加藤文俊​、佐藤 雅明

国際的な文脈におけるマンガの役割、マーケットの状況、多言語化、国際交流

第6回となる今回は「世界の中のマンガ」と題し、吉井順一氏より海外のマンガの変遷についての講義が行われた。

映画や映像表現の分野において、当時の社会背景、思想はこれに多大な影響を与えてきたが、これらはスチル、すなわち静止画での表現にも通じるところがある。

1960年代から80年代にかけて、ベトナム反戦やアンダーグラウンド、パンク・ロックなどの思想がこれに当てはまる。

2000年代には「アナログからデジタルへ」社会が大きく変化するが、表現手段、電子化といった面でこれも大きく影響した。

メビウス(フランス)の作品はコマ割りこそされているものの、どちらかというと「美術書」「作品集」に近い存在と言える。

しかし、例えば西部劇を描いた『ブルーベリー』はコマ割りが細かく、背景の書き込みの細かいモノクロ描画がなされ、現在のマンガに近いものといえるものもある。

シュイッテン(ベルギー)の作品は、遠近法、俯瞰・仰角といった手法を用い、立体感のある描画に特徴がある。ストーリーとしての楽しさを感じさせるものもあるが、「あくまでアートの一線は譲れないぞ、というような」(吉井氏)作品であった。

アメリカンコミックスには"Comic Code"が存在した。当時の業界が自主規制的に運用したもので、性的・暴力的表現を避け、勧善懲悪物のストーリーを推進するといったもの。

こうした動きに反して、例えばホロコーストを題材にした『マウス』(アート・スピーゲルマン)のような作品が徐々に認められていくことになる。

台湾では、政府の取り締まりや翻訳出版が盛んであることから、オリジナル作品は少なかったが、1984年に時報出版公司がコンテストを開催して以降、ローカルな作品も生み出されつつある。

香港でもかつて模倣作・海賊版が横行していたが、オリジナル作品を生み出し、定着させる動きが盛んになってきている。 中国において出版は許可制であり、海外作品への許可が下りないこともある。このため、国内作品を推進する動き、またはWEB公開への転換が進んでいる。

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