第4回 マンガとビジネス

開講日: 2018年5月8日

​講師:吉井順一、佐藤雅明

読者層、複合的なメディア展開、販売と流通、プラットフォーム

第4回となる今回は「マンガとビジネス」と題し、佐藤雅明特任准教授より商業的見地から捉えたマンガについての講義が行われた。  

講義冒頭、受講者とのやり取りを交えながら昨年のマンガ作品別売り上げ冊数の上位10作品が紹介された。第1位の『ONE PIECE』(尾田 栄一郎,集英社)はおよそ1100万部。

また、歴代の発行部数や1冊あたりの売上冊数の紹介を通じ、マンガ産業の規模の大きさが示された。

次に、具体的なタイトルを挙げながらマンガの変遷が紹介された。受講者から自身のエピソードを交えて各作品が紹介される場面もあり、身近な作品を時系列に沿った形で再構成することでマンガの変遷の大まかな流れを確認することができた。

その後、佐藤氏の専門であるインターネットの視点からマンガやコンテンツ産業の概観が紹介された。

例えば、2006年にサービスを開始した動画共有サイト「ニコニコ動画」は日本人のコンテンツ消費に多大な影響を与えた。個人がクリエイターとして様々な作品を手軽に社会に発信する機会が生み出され、コンテンツの多様化が進んだ。「誰でもコンテンツを創出してヒットメイカーになれるような時代」(佐藤氏)。

次に、マンガにまつわる統計が紹介された。日本の出版物は全体に緩やかな縮小傾向にあり、マンガでも販売額は減少傾向にある。このような中で、マンガはアニメ、グッズといった二次利用を含めた様々な形での展開を通じてビジネス展開を行っている。

「出版社は、自分たちを「本を出版する会社」とは思わなくなりつつある」(佐藤氏)。

電子出版、海外展開など伸びしろのある分野を含め、これからのマンガビジネスは、書籍に限らないコンテンツ市場全体の活性化が重要となる。