開講日: 2018年10月16日

​講師:加藤文俊

講義資料​(PDF)

第4回となる今回は、日常生活と読書・社会的構成物としての「パブリケーション」と題し、加藤文俊環境情報学部教授より講義が行われた。

日常生活におけるメディアとの接触には、量的、質的それぞれの捉え方がある。量的な捉えかたでは、例えば通勤時間帯に触れているメディアを統計的に調査するなどして、普遍抽象的・客観的な調査を行うことができる。質的な捉え方では、フィールドワークやインタビューを通じて、個別具体的・主観的な調査を行うことが考えられる。パーソナライズされたコンテンツの在り方を考える際などには、これら個々の事例の知見が活用されるといえる。

文化庁『国語に関する世論調査』(平成25年度)によると、対象者のおよそ6割が読書量を増やしたいと考えている一方、同じくおよそ6割が「仕事や勉強が忙しい」や「視力など健康上の理由」「情報機器に時間が取られる」といった理由で読書量が減っていると回答した。ところで、同じ調査において電子書籍の利用を尋ねる質問では、わずか2割弱の人が利用していると回答、読書の形式(紙媒体と電子書籍)について尋ねる質問では、およそ6割の人が紙媒体が多いと答えた。このことから、読書は紙媒体で行う人が未だ多数派を占める現状が読み解ける。

また、インターネットの利用傾向に関する調査からは、利用するコンテンツは世代を問わずテキストが多く、時間帯では昼休みと深夜にかけて利用のピークが立っていることがわかる。

今日、若者のFacebook利用が減っているといわれる一方、Instagramのストーリー機能などの「期限付き」投稿サービスが人気を集めている。適切なタイミングで送られ、「その場に居合わせた」希少価値がある情報が求められているのではないか。「ライブ感覚」のようなものがインターネット上で再現され始めているのではないか.