第11回 デジタル時代の出版物をめぐる権利

開講日: 2017年12月12日

​講師: 村瀬拓男

11回目の今回は、弁護士の村瀬拓男氏をお迎えし、「デジタル時代の出版物をめぐる権利」というタイトルで、電子媒体における著作権のあり方と、重大な問題となっている海賊版の問題について取り上げた。

​まず前提知識として、著作権法の中身と解釈の解説と、紙の出版の世界においてどのような取り組みが行われてきたかが示された。特に著作権の解釈については、下のようなモデルを用いて重点的に解説がされ、学生達も理解を進めることができたようだ。

話は主題である電子媒体における著作権の話に移り、具体的な解説がされた。著作物を出版利用する場面において、紙媒体と電子媒体それぞれの出版工程を比較しながら、各工程でどのような権利に抵触し許諾が必要となるのか紹介があった。こちらについても下のようなモデルを用いて詳細な解説が行われた。また、そもそも出版行為の法的な位置づけについても解説がされ、旧来の媒体として、CDと本における権利構造が示された。また著作物の流通工程についてもモデルを用いて解説がされ、旧来媒体の「販売モデル」から、電子媒体においては「ライセンスモデル」に流通とビジネスのモデルが移っていくという流れで解説が進んだ。その上で、ライセンスモデルにおいて、現在の著作権法を適用する上での問題点、その解消のために出版権の規定がどのように改正されたかが示された。

最後に現在電子媒体の著作権において、大きな問題になっている海賊版の問題について、実状と著作者達が行っている施策について紹介がされた。まず著作物を無断で複製する海賊版の作成行為が、各工程でどのような権利に抵触し、それぞれどのような請求が可能なのかが示された。加えて現在行われている海賊版への対策とその法的な課題について、弁護士である村瀬氏ならではの視点から解説が行われ、削除申請以外の対策などを紹介し、授業を締めくくった。