第4回 出版と日常生活

社会的構成物としての<パブリケーション>

開講日: 2019年10月15日

​講師: 加藤文俊

第4回となる今回は、「出版と日常生活 社会的構成物としての<パブリケーション>」と題し、加藤文俊 環境情報学部教授より講義が行われた。

 

本講義では、日常生活に着目することで「出版」を質的に捉える手法が紹介された。 冒頭、様々な家庭における本棚と充電場所の写真が提示された。 持ち主によって、本の種類や量、その収納方法は多様である。生活の中に存在する本の姿は、その持ち主の人となりを表すほどの情報量をもっている。また、近年は電子機器を通じてコンテンツを楽しむことも多い。そのため、電子機器の充電場所も、出版物と持ち主の接点として、本棚と同じように観察対象になりうる。 このように、日常生活やその生活を支えている空間に目を向けることで、出版物の在り方について考える手掛かりになる。

 

次に、課題の制作に向けて、「デザインと社会集団」について取り上げた。 モノのデザインの成立過程では、例えばジェンダーや年齢、社会的立場といった様々な社会集団が複雑に影響しあっており、この相互の力関係によって進歩の道筋が決定されることもある。こうした構造を書き出すことで、その外側に課題意識を見出すことができる。問題にはもちろん複数の解決手段があるし、ここでは万人に対する解決手法を提案する必要はない。「誰が、何のためにつくるのか」という視点を大切にしてほしい。