第9回 出版の技術的課題

開講日: 2017年11月28日

​講師: 村田真

9回目となる今回は、電子文書の国際化に長く取り組んでこられた村田真氏をお招きし、電子出版の技術的な課題について講義を行った。

村田真 氏

​始めに、古代から現在における出版物において、それぞれがどのような文書モデルを持っているのかについて紹介がされた。例として、古代の一枚岩に書かれた出版物、5000ページに及ぶWord文書、InDesignでレイアウトされた雑誌、が挙げられ、章・節・段落・見出し・箇条書きといった論理構造について、また、ページやカラムといったレイアウト構造について、そしてスタイルシートなどのデザインの要素について、それぞれ紹介が行われた。そこから今度はWebサイト、HTML文書の構造に話題は移り、URLやheader, bodyの構造、各タグの役割について、そしてブラウザやサーバーの機能などについても簡単に解説が行われた。次にその技術を用いて、実現されてるEPUBについての解説に移り、W3Cでの議論の内容や、使われているWeb技術が紹介された。始めに例に出した、出版物・Word文書・雑誌を一括りに一枚岩の出版とし、これとHTMLとEPUBの3つをあらゆる観点で比較を行った。

​このように技術ごとの特性を踏まえた上で、出版物を様々な特性から分解した上で、国際的な合意を形成しているのが、W3CのPublishingワーキンググループであると紹介がされた。そこから、近年の多岐に渡るアクセシビリティ対応の難しさと重要性、レスポンシブデザインとの兼ね合い、更にはDTPに携わる人、活版の人、木版の人、肉筆の人、、、と各出版方法に関わる人々の、意見や価値観の違いについての話が紹介がされ、出版の標準化に長く携われてきた村田氏ならではの話で授業を締めくくった。