第8回 中間プレゼンテーション

開講日: 2018年11月27日

第8回となる今回は、履修者各班による中間発表が行われた。

 

「出版と印刷の未来」をテーマに発表を行った班は、出版社と表裏一体となり出版業界を支えてきた印刷業者に注目。今後電子出版の普及に伴いこの関係性が崩壊する可能性を指摘した。一方、環境への配慮から一部の日用品の材質がプラスチックから紙へ転換され始めている例を紹介。近年の紙需要はむしろ増大しているという。そこで「ライフスタイルに合わせた消費物としての出版」を実現することで紙と共に出版が在り続けられると指摘した。例としてはランチョンマットへの印刷などがあるという。

 

「未来のメディアを再考する」をテーマに発表した班は、現状の電子書籍について「紙を読む行為をそのまま電子機器の操作に置き換えているため不都合が生じており、電子機器のメディア特性も生かせていない」と指摘。これに対して、縦スクロールで連続的な閲覧ができるマンガや、読者が自分の顔や名前を作中に反映させられる絵本など一部で取り入れられた手法を例示した。その上で、読書を「文字を読む体験」ととらえることでデジタルメディアの手法を活かした作品作りをしたい、とした。最終発表では演劇脚本を作品化する。

 

書籍の触覚をテーマに発表した班(1班目)は、「人生のお供となる1冊」をコンセプトに設定。手ぬぐいをカバーにする試みや、オリジナルのノートを制作できるサービスを例に、持ち主の思いを込められる、もしくは誰かに贈った際に印象に残る、宝物になる1冊を作る。

 

少女マンガの未来を題材にした班のテーマは「2030年の少女漫画」。紙書籍以外の活用のされ方として、「教訓や言いにくいメッセージを伝える役割」があると指摘。例えば、ツイッターをはじめとするソーシャルメディアで流行している個人発のマンガや、広告として街頭に掲示されるマンガ調の看板がなどある。メッセージを伝えるメディアとしてマンガを捉える。

 

「後世に残したいもの」をテーマに発表した班は、例えば戦争の記憶、食文化、伝統工芸といった事物を「物理的に残すのではなく、文化として」後世に伝える手段として出版を利用する。21世紀を生きる若者をターゲットに、その文化を知らなかった人に機会を与えられるようなものとする。『ポケットモンスター』のゲームで確立された「収集・育成・交換・対戦」モデルを参考に「365日文化図鑑としての文化図鑑」を提案する。例えばレストランや美術館等にチェックインすると追加の情報がサジェストされる仕組みを考えている。

 

「出版界におけるプロとアマチュア」をテーマにした班は、アマチュア作家がプロデビューするきっかけが文学賞だけでなくweb小説などに広がりを見せている一方、こうした機会はエンタメ小説が殆どであり、純文学分野には少ないことを指摘した。このため、若者発の純文学を幅広い世代に発信できるサービスを提案する。

 

「音楽の出版」をテーマにした班は、楽曲制作においてそのほぼ全工程をアーティスト自身が担えるようになった現代において、音楽レーベルが楽曲の原盤権をもとに収益化するビジネスモデルは時代遅れであるとした。アーティストのパートナーとなれるレーベルの在り方が求められるという。

 

「インスタ映えする書籍」をテーマに発表した班のコンセプトは「本から”ホン”へ」。例えばポケットチーフのように、本来の機能を失った後に「お洒落」として流行するモノがある。こうした感性を書籍に応用できないか探るという。

 

VRをテーマにした班は、「書店はテーマパークである」として、身近に存在する書店を体験を売る施設として活用できないか提案する。

 

アーカイブをテーマにした班は、パブリケーションの人間生活の記録としての側面に着目し、意識的に生み出される記録だけではなく、無意識に生み出される記録としてのパブリケーションを提案する。

 

「動く新聞」をテーマにした班は、電子ペーパーを用いて動画メディアを含むコンテンツを配信できる報道メディアを提案する。

 

オーディオブックをテーマにした班は、アマチュアがインターネットに投稿している小説作品に着目し、これに声優による読み上げをつけた若者向けのコンテンツを企画する。

 

出版物の二次利用をテーマにした班は、展示会や宿泊施設とのコラボレーションなどの事例を紹介、「コト」消費によってファンを増やす企画を提案する。